2011年11月6日日曜日

どこまでも

 

 




2012SSコレクション、展示会を終えようやく一区切りつき、いつもの自分のペースで
まったりと仕事が進められるようになってきました。

翼のある服~自分の空を飛ぶ~というテーマで、どうにかこうにか
女の子が飛びたち、おちるところまでをブックで表現できたかなと思います。
それにしても、今回はいつにもましてヘロヘロになりました。

とにかく、自由に!まじで自由に!高く高く!どこまでもいくのだ!!
と、それはまあアホみたいに威勢よくコレクションにとりかかっていったわけですが、
自由って思ったよりも大変です。わかっていたことなんですが。。

何もない、何も決まっていないところから、ひとつのディテール、ひとつのパーツ、一着の服、
ひとつのコレクションをつくりあげていく。そのひとつひとつにある無数の選択肢を決めていくのは
僕たち自身なのであって、その選択には責任も伴う。それが自由ということだ。これが案外重い。

そして、自分の空を飛ぶということは、そのひとつひとつの選択を自分の経験と記憶からしっかり
判断し、後悔しない選択をしつづけなければならないということです。
隙を見てはサボろうとする僕自身とも向き合っていかなければなりません。

そういった高い意識の中で仕事をしていると、怖いことに、気を抜いたら気を抜いた分、
後悔してしまう結果も生まれてしまいます。

「もう疲れたから」「なんとなくこれでいいや」「無難に」などなど、安易に選択してしまうと、
結局後悔することになることが多いのです。

あたりまえですが、高い意識により生み出されたモノがたくさんある中で、
低い意識により生み出されたモノがポツンと存在すると、自分の中でどうしても
目立ってしまうのです。

どうにもこうにも許しがたい存在になってしまうのです。そして後悔する。
だから、そうならないために気持ちを常に高い状態にしていなければならないのです。

もちろんつらいだけでなく、だからこそ得られるかけがえのない何かや満足や楽しさもたくさん
ありますが、相当なエネルギーと覚悟も必要なのです。
だから、正直つかれました。ヘロヘロヘロヘです。でも、とてもとても心地よいです。

今回のコレクション以前にも、翼の~、羽~と、僕の服にはよく翼が登場してきました。
僕はなんとなく翼とか空とかがとても好きなんだと感じています。
というかみんな翼とか空は好きなんだと思います。
だから一度思いっきり翼を考えてみたいと思いました。

”翼のある服”というテーマのもと、僕たちの過去の経験と記憶と、
未来を見つめる視線から生み出された今回の服たちは、これからの僕たちの経験、記憶となり、必ず未来への翼となってくれます。